倍音を出す方法をトレーニングする声のサロン(新潟県新潟市) | ||
倍音の出し方倍音の出し方が身につくと、コミュニケーション能力が高まる。だから、人間関係がうまくいき、仕事もうまくいく。整数次倍音と非整数次倍音の使い方で、あなたの「伝える力」は格段に向上する。倍音を出す方法とは、すなわち共鳴発声法。共鳴を使いこなす技術を身につけて、倍音を攻略しよう。言語戦略研究所 |
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倍音
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倍音の出し方●共鳴発声法は倍音コントロール「倍音の出し方を教えてください」とのご依頼が言語戦略研究所に届くことがあります。 「『声のサロン』で指導している共鳴発声法が、倍音コントロールの方法です」と説明すると、「別ものだと思っていました」と驚かれる。 倍音の出方で「声の色」が決まります。声の色を良くするのが目的である共鳴発声法が「倍音のコントロール」を高度におこなうのは、当然といえば当然です。 また、「声のもと」(喉頭原音)を作るための声帯の使い方も重要です。いくら共鳴によって倍音をコントロールしようとしても、「声のもと」がよくなかったら、「傷んだ食材で料理を作ろうとしている」ようなもの。 ですから、倍音の出し方を知りたいなら、共鳴発声法をトレーニングしてください。 ●基音の整数倍の上音まず、本来の「倍音」を正確に理解しておきましょう。 「倍音」という言葉が本来の意味を離れ、いたずらに神秘性を孕んで独り歩きしているケースもあるからです。 倍音とは音響学の用語で、「基音の整数倍の周波数を持つ上音」を指します。 音にはさまざまな周波数成分が含まれています。この音を「純音の合成されたもの」と捉えた場合、純音の中で最も周波数の小さな成分を「基音」(きおん)と呼びます。 ※純音は単一の周波数のみの音 440Hzのラを楽器や声で出したとき、実際にはほかの周波数成分がたくさん含まれますが、一番下の440Hzのみが「基音」です。 基音より上にある周波数成分はすべて「上音」(じょうおん)と呼ばれます。 440Hzが基音であるなら、440より数字が大きな成分はすべて上音です。 441Hzでも、442Hzでも、443Hzでも。 「えっ、2倍とか3倍じゃないの?」 そのとおり、「倍音」は2倍の880Hz、3倍の1320Hz……です。 定義を見直すと分かりますね。倍音は「基音の整数倍の周波数を持つ上音」ですから、880Hzは倍音ですが、881Hzも882Hzもただの上音。 1320Hzは倍音ですが、1321Hzも1322Hzもただの上音です。 基音より上にたくさんある(ありうる)上音の中に、ポツンポツンと倍音が点在している、と理解するといいでしょう。 「基音より下に倍音はないのですか」という質問がありますが、「それより下にあるか、ないか」というより、「一番下を基音と呼ぶ」と定義しているので、定義上は存在しません。 共鳴発声法によって倍音が強まると、「天使の声」といって合唱パートにないはずの声が聞こえてくることがありますが、仮に天使の声が強烈に強まって、逆に「下に別の音が聞こえる」ように感じられたとしても、「基音の下に倍音がある」にはなりません。 あくまでも「基音の上にある倍音が強烈に強い」と解釈します。 ざっくりまとめると、音にはたくさんの周波数成分が含まれ、その中の一番下を「基音」、それ以外のすべてを「上音」と呼びます。 上音の中で、基音の整数倍に相当する音を「倍音」と呼びます。
ですね。 ●ハーモニクスで倍音を取り出す弦楽器を演奏する方なら、ハーモニクスという奏法をご存じでしょう。 あれが倍音です。 弦の真ん中、3分の1、4分の1の位置を軽く押さえて演奏すると、その弦の本来の高さに対する倍音を強く出すことができます。 バイオリンではこの奏法を「フラジオレット」と呼んでいました。 440Hzにチューニングした弦の真ん中に軽く指を触れたまま弾くと、880Hzの音が出ます。 軽く触れるハーモニクス奏法でも、しっかり押さえる通常の奏法でも、真ん中に限っては同じ高さの音になります。 ところが、不思議なのは弦の先から3分の1の位置まで指を下げて、つまり音高が下がる方向に移動して、軽く指を触れたまま弾くと、1320Hzの音が出るのです。 強く押さえた場合と、軽く指を触れた場合とで、同じ位置でもまったく違う高さになるのが、この奏法のおもしろいところです。 理論的には、4分の1、5分の1、6分の1と分割していけば、無限に高い周波数の倍音が取り出せるのですが、実際にはそう簡単ではありません。 4分の1ぐらいでも、私はよく失敗していました。 強く押さえすぎて通常の高さの音が出てしまったり、わずかに位置がずれてスカスカな音になったりしていましたが、うまくいけばほとんど力を使わずに2オクターブ上の音が鳴るのだから、不思議ですね。 聞けば、管楽器でもハーモニクス的な奏法があるそうです。リコーダーを強く吹きすぎて妙に高い音がピーッと鳴るのは、意図せぬハーモニクスなのだとか。 私たちの声は、弦ほど単純な構造ではないので、「真ん中を押さえてハーモニクス」みたいなわけにはいきません。 共鳴の技術を使って、倍音成分をコントロールしていきます。 その技術が共鳴発声法であるわけです。 ●整数次倍音と非整数次倍音では、倍音以外の上音(基音より周波数の大きな成分)は、何なのでしょうか。 ごくざっくりした言い方をしてしまえば、「ノイズ」です。
こういった「ノイズ的成分」になるのが、倍音以外の上音です。 「非整数次倍音」などと、ちょっとカッコイイ名前で呼ばれることもありますが、なんのことはない、「倍音に相当しないノイズ的成分」と考えるといいでしょう。 このノイズには主に2種類あって、
この2つは、似ているようでまったく違います。 声帯の使い方のせいで喉頭原音にノイズが混じる場合(嗄声など)、声帯という器官に負担がかかりトラブル(結節、ポリープなど)の原因にもなるため、矯正の対象となります。 一方、共鳴腔の使い方で共鳴の加わり具合が複雑になり、ノイズ的成分が乗っているのは、「高度な発声表現」として評価されます。 共鳴発声法は、後者の高度な発声表現までを含む技法です。 ●倍音の出し方はこちら倍音の出し方を習いたい方は、「声のサロン」で共鳴発声法の指導を受けてください。 詳しい説明はこちらのページ(声のサロン)にあります。 |
所長の齋藤匡章(言語戦略研究所、新潟県新潟市、東京都江東区)です。発声法やボイストレーニング、話し方、会話に関するご相談なら、何でもどうぞ。 『内向型人間が声と話し方でソンしない本』(青春出版社) |
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